北川智浩の白磁と自転車

北海道の江別市で陶芸(白磁)の制作をしています。

    先代の温度計。

20180203IMG_7649 (2)_100_356


ガス窯の焼成の際、2つの温度計を使用しています。


1つは窯の上部、もう一つは扉の部分。
そこに高温センサー(熱電対)を設置して

その内部の温度を計測しています。


ガス窯の作品を詰めるスペースは

幅60cm×奥行90cm×高さ約85cmあるのですが

その空間の温度が同じであることはまずありません。



作品の形状や数が毎回違うので、毎回違う棚組になることが多く

そうすると窯の中を流れる炎の流れが変わってきて、

温度に影響を及ぼすと考えられます。




その他、焼く時期、

外気の気温や湿度によっても温度の上昇が変わってきます。



例えば、毎回 同じ湯吞のみを1000個焼成する窯だと

同じ棚組になりますので、同じ操作をすると、かなり同じような温度上昇をすると思うのですが

私はそういう仕事はほぼありません。




温度計はそのセンサーがある場所の温度を示しているので

それ以外の場所のその時の温度は違っていることの方が多いです。

ただ、内部の温度状況を推察する重要な判断材料の一つになります。


他には、覗き穴から実際に窯内部の炎の色から温度を推察したり

作品と同じ素地に同じ釉をかけた 小片を

焼成中に内部から取り出し、その溶け具合を判断します。

IMG_7773 (2)_350_363



そして、当然、入れた作品から棚組の仕方、温度変化は焼く度に記録します。


そんな風に、これまでの焼成記録のもととなる
温度計を

先日の窯焚きの際に

ひっかけて落下させてしまいました。




この温度計、先代の親方から、現在使用している窯と一緒に譲っていただきました。

構造は単純なのですが

振動や衝撃に弱いとの事。



先代の親方の工房は山梨にあり、

窯は業者に依頼して運んでもらったのですが、

温度計は



「衝撃に弱いから、一緒に運ばないほうがいい」    といわれ

私がリュックに入れて担いで現工房まで運びました。

キャリーケースはやはり振動が心配でした。



        (ガス窯を北海道に連れてきた話はこちら




窯を設置してから12年間、衝撃を与えないように気を付けていたのですが、

今回、窯焚きも20時間くらいたって、完全に不注意です、ひっかけて落下させてしまいました。



かなり、慌てましたが、

分解して応急処置を施すと

元通りになったかは不明ですが

その後の温度上昇を確認することができました。






そういえば、弟子の頃、

制作や焼成の際にトラブルがあっても、

    (というか、未熟なうちはとにかくトラブルばかりです)

何とかなるまで、とにかくトライすることを学んだような気がします。


今は亡き 先代の親方 が譲ってくれた温度計、

次の焼成でも、大切な道具として、しっかり活躍してくれると思います。



スポンサーサイト
  1. 2018/02/23(金) 23:42:52|
  2. 四方山話
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

     フラットな桜皿、納品完了‼



20180210IMG_7675 (2)_400_300





フラットな形の桜文様のお皿。

無事納品できました。

依頼していただいたのは   札幌の居酒屋 酔九屋 さん



酔九屋さんにはすでに  約13cmのサイズの

桜文様の小皿を使っていただいています。



その皿の形状と文様を気に入っていただき

桜文様のデザインと形はそのままに、  直径を 約24cmにして欲しいというオーダーでした。


13㎝から24cmですから

形の成形は単純に 約1.85倍 になるように制作する事。


ただ、乾燥や焼成で形が  “動く”  事があり


単純に大きく作るというのは その通りなのですが

“動く” ことを踏まえての制作となります。



特に焼成、

窯の中で1300℃近くの高温に熱せられたお皿は

あたかも形が柔らかいのでは と勘違いするように 変形 しやすくなります。



特にフラットな形は 焼成で変形しやすい。



最初からフラットな状態で成形して 窯の中に入れると

高温になった際に皿の縁が下方に垂れ、

ちょっと情けない感じで焼きあがってきます。



どこまで皿の縁が垂れずに踏ん張ってくれるかは


焼成の温度や皿の厚み、高台の直径などによって違ってきます。


            (フラットな桜皿のテストの様子はこちら

            (トラブル中(。>ω<。)の様子はこちら


こちらのお皿、雰囲気もいいので、

次回の個展で見ていただけるかもしれません。

かも、 というのは 完品2点は 酔九屋さんに納品済み。
      
          (なので、今どうしてもご覧になりたい場合は酔九屋さんへ~、かつ、お皿の出番があるといいのですが!!)

これからの制作になりますが、何とか焼いてみたいと思いますので

ご期待ください!!!




さてさて、酔九屋さんには  まだオーダーいただいている器がありますので

引き続き、鋭意制作です。

20180213IMG_7715 (2)_400_266











  1. 2018/02/14(水) 12:57:25|
  2. 食の器
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

    判子、3個。

20180127IMG_7544 (3)_350_409


作品を桐箱に入れてお渡しする場合があります。



私の場合、

普段使いの器はそのままお渡しするのですが、

お茶道具や、酒器、大鉢などは桐箱に入れてお渡しする場合があります。

(もちろん、桐箱なしでお渡しする場合もあります。)


その際、箱の表面に箱書きをして、自分の印を押します。



この時に使用するハンコは、自分で作りました。



独立してから数年後なので、かれこれ10年以上前。


素材は木や石ではなく磁器土を焼成して。


磁器土は、もの凄くざっくりいうと、“陶石”という白い石を 粉にしてから粘土にしたものなので

同じ“石”ではあります。



作り方は

程よい大きさの磁器粘土の塊を乾燥させ、

先ず、木に当たる面(通常は紙に押される部分、印面)を平らにします。

持つ部分は思い思いに、削りだします。



図書館で篆刻用の書体辞典から

自分の名前の漢字で 気に入った書体を探し

印面に彫り込んでいきます。


細かい部分を彫りだそうとすると、ポキッとかけたりします。

そういった場合は、また、ザァーザァーっと印面を平らにして やり直し。


石と違って間違えても簡単にフラットにして、やり直すことができるのがいいところですが

乾燥させただけなので 欠けやすく、細かい線を彫り出しにくいのが難点です。




感覚的に自体を選んで、エイっと焼き上げた判子、

これが意外と気に入っていたこともあり

長く使っていました。




桐箱の箱の大きさは、

ぐい呑サイズから大きな鉢まで

作品に合わせてしつらえます。



その大きさに合わせて、判子も3種類ほどつくって(焼いて)みました。


磁器土で判子を作ってみて、思ったのですが、これが結構楽しい。


磁器の仕事もそうですがカリカリ彫り込むのは
性に合っているのかもしれません。



で、石でも彫って見ようと

篆刻用の石 と 削る道具を購入し



ただ独立してバタバタしている時期、

本業の仕事も解決しなくてはいけない課題がまだまだたくさんあったので、



判子用の石は しまい込み、

篆刻用の道具のみ本業の彫りの道具の1つとして採用しました。





そして、次は、 字体に関して、もう少し調べてから

じっくり彫ってみるのもいいかな思っているうちに十数年。

本当に、、綾小路キミマロさんじゃないですが、あっという間です。




そんな風に、印のことは、ちょっと優先順位下位ながらも

いずれは、、 と思っているときに




たまたま、お世話になっている Kさんに、 判子 の制作を勧められました。

Kさんは 小森忍さんの器(当然桐箱も)を 多く目にされている方でしたので


お話を頂くというか、そういう風にアドバイスをいただいて、

さらに、Kさんがお願いしている専門の方を紹介していただけるとの事。


これは、

判子を制作するちょうどいい潮時かな、と。



それと、時折は、自分に必要な道具を別の分野のプロの方に
御願いするのもいいかな、と。


私はお客様からオーダーを頂き、器という道具を制作するわけですが、

時には、他の方にオーダーすることによって

自らのオーダー制作の仕事の進め方をチェックしたりできるのでは、

という風にも考えました。







作り手に制作を依頼し、その出来上がりを待つのは思いのほか楽しいものです。



私も、オーダー制作の件ではお客様をお待たせすることが多いので

先方に、早く早くとは、決して言えませんが !!!(苦笑)




で、作っていただいた判子がこちら

やはり、大きさに合わせて3種類。




まだ、押してはいませんが

押すのがとっても楽しみです!!!





20180127IMG_7546 (4)_350_466

  1. 2018/02/09(金) 13:04:52|
  2. 四方山話
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

    氷柱の成長?記録。

20180201IMG_7531 (2)_350_432



素焼きの窯を焼きました。


窯小屋は、通常 氷点下ですが、

焼成後の窯は冷めるまで放熱します。


だいたい、焼成後の1~2日、小屋の中は10~15℃程度。



それで、窯小屋の屋根が暖められ、

屋根の上の雪が溶け、溶けた水は氷点下の外気で氷柱になります。


その氷柱の成長?記録。



20180201IMG_7534 (2)_350_466



窯小屋は住宅街にあるのですが、

小屋の向かいの建物は

フラットな無落雪な屋根のため、氷柱ができませんね。

氷柱はその重みで屋根を傷めたり、下を歩く人が危険だったり、


平たく言うと、厄介なモノなので、




寒冷地住宅の進化の過程で氷柱のできないフラットな屋根ができた訳ですが、




冬期間だけ、

軒先にぶら下がる 氷の塊をなんだか面白い、と思う

氷柱好きにとっては 

近代的無落雪の屋根は 面白くない モノだったりします。






20180201IMG_7549 (3)_400_351


いい感じに成長した氷柱は

風の影響でしょうか、


先端がカーブを、、



ですが、やはり危険なので


月曜日になる前に

氷柱好きの小学生ボーイが下登下校する前に取り除きましたので

もう窯小屋に来てもありません。



氷柱好きの方、アシカラズ、、

写真のみで。



20180201IMG_7550 (2)_370_408
  1. 2018/02/04(日) 18:28:43|
  2. 四方山話
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

    いつも通り。

毎年、冬期間は大物の制作にあてています。

出品する公募展の締め切りから逆算すると
だいたい、2月上旬には出品できそうな大物作品(もちろん組作品を公募展に出品することもありますが)を

仕上げるように、年間のスケジュールを決めます。




ただ、ここ数年、

これはとてもありがたいことなんですが、

冬期間も制作依頼の作品の締め切りに追われていたりするので、



大物作品が制作の段階で割れてしまったり、

焼成で失敗したりすると

なかなか、再制作する時間が取れない状況です。









野幌の冬はもちろん氷点下。
室内はストーブを焚く関係で、そこそこ暖かいのですが、

とても乾燥しています。

この、乾燥が大物作品つくりには意外と厄介です。

工房のスペースの関係で
大物作品をゆっくり乾燥させる専用場所を確保することができなかったので、

いろいろと工夫しながらゆっくり乾燥させます。


今制作しているタイプの大物は
2段階に分けて削ります。

その2段階目に削りだす部分の関係で
下部に粘土の塊を厚く残しておく必要があり、

急激な乾燥をすると、割れなどのトラブルが起こりやすい。

何度もトラブルが起きている間に
だんだん乾燥時間が長くなって、

今回は11月末にロクロ引きして
削り終えたのは1月中旬。












その間、雪が降り、根雪となり、
冬至の頃には16時には暗くなってブルーになったり
雪かきが大変だったり
氷柱ができ、

そして、2月上旬、ナナカマドにキレンジャクがやってくるまでもう少し。(キレンジャクについてはこちら



野幌のやきもの工房で 大鉢の制作がうまくいこうが、トラブルが起きて割れようが
まったくお構いなしに

毎年、いつも通り。


こちらから見ると、まるで自然の方は全くぶれずに泰然自若にいつも通り。


なので、たとえトラブルがあって、うまくいかなかったとしても、

「へたくそなので仕方ない。また来年、冬の時季に頑張ろう!!」
と思える気がします。





  1. 2018/01/26(金) 20:24:47|
  2. 四方山話
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ